シミにも種類があるため取りたいと思っても、種類にあった適切なシミ取り治療をしなくては症状が悪化してしまいます。特に治療しにくい種類が、肝斑やADMと呼ばれる症状です。

肝斑は、頬骨にそって左右対称または目尻の下あたりに左右対処にシミができるのが特徴です。30〜40代に多い症状で、女性ホルモンのバランスの乱れが原因だとされています。

ADMは、後天性真皮メラノサイトーシスの略です。原因は不明で、通常はシミのできない真皮に色素沈着が発生することで起こります。肝斑と似ていますが、くすんだ色調で独特な青みを帯びた褐色をしていることが多いとされています。

これらは内服薬や外用薬などで改善することが難しいため、レーザーを使ったシミ取り治療を行うことが多い傾向にあります。
シミ取り治療でよく使われるのが、Qスイッチルビーレーザー治療です。

メラニン色素への吸収が良いという特徴のあるレーザーで、健康な肌細胞へのダメージは少なく、メラニン色素にだけ作用します。
濃いシミだけではなく、ぼんやりとした薄い茶色いシミにも効果的です。ただし、肝斑にはあまり効果がないとされているため、肝斑を別の方法で治療したあとに行うと効率的に治療できます。

Qスイッチモードのシミ取り治療の効果

シミ取り治療で用いられるQスイッチルビーレーザーは、2種類のモードが選択できるのが特徴です。
Qスイッチモードは、照射時間を短くしてエネルギーを集中させることで、消したいシミに重点的にダメージを与えながら、周囲の皮膚へのダメージを与えにくいモードとなっています。

もう一つの短パルスモードは、皮膚表面に近い表皮部分へ効果を発揮します。皮膚の奥にダメージを与えることなく、気になる部分を照射することが可能です。
この2つのモードを使い分けることで、シミの状態や種類に合わせて有効なシミ取り治療が行えます。照射時間が短い機器ですので、施術時間も短いというメリットもあります。

特にADMに対しての効果が期待できます。しかし、肝斑とADMが合併している場合には、治療の順番には注意が必要です。
Qスイッチルビーレーザーは肝斑を悪化させる可能性があることから、色素沈着を抑制するトラネキサム酸を使用した内服薬や、症例によってはビタミンCやハイドロキノンなどの外用薬を組み合わせて治療します。

肝斑の症状が改善したのちにレーザーを使った治療を行うことがポイントで、肝斑から治すかなどは治療前にしっかりカウンセリングを行うことが大切です。